その叫びに反応するように、まず隆行が馬を疾駆させ始

その叫びに反応するように、まず隆行が馬を疾駆させ始めた。隆行達を追う騎馬武者はGの的確な射撃で目を射抜かれ次々に落馬してゆく。遅れまいと、隼人も太刀を後ろへ一度振り距離を取ると、馬の手綱を勢綱を勢い良く引いた。この瞬間まさにこの瞬間。隼人達を悲劇が襲った。なんと、隼人の馬が棹立ちになり、隼人は危うく落馬しかけた。それはそうである。隼人は今まで馬に乗った事が無かった。辛うじて馬の首にしがみついて落馬を免れた隼人だったが、騎馬武者に後ろから撫で斬られ、隼人は力尽きるように落馬した。「隼人ぉぉぉおおおおーーー!!!」普段は冷静なGが叫ぶ。Gの叫びに隆行が馬首を巡らした時には、落馬した隼人に武者達が殺到していた。武者達に抑えられた隼人はもう力が出ないのだろう。「逃げろぉぉおおーーー!俺は大丈夫だ!お前達は逃げ切れぇー!!たっつんを頼んだぞぉー!!」隼人は決死の叫びをすると笑顔だけを向けた。「・・・隆行、行くしかない。」Gが隆行に呼びかける。(あの笑顔は俺たちが戻らない為の強がりだ。最後までアイツは・・・。これで逃げなきゃアイツに悪い。)「ちくしょぉー!!!ゼッテェ!ゼッテェ!!助けにくるからなぁー!!!」隆行はそう叫ぶと、再び馬首を転じ、馬を疾駆させた。「隼人ぉおおー!!!死ぬなよぉぉおおおーーーー!!!」最後はGの叫びを残して走り去って行った。走りさる三人を視界に収めた隼人は満足そうに目を閉じ動かなくなった。