少し遅めの夕食を宿のレストランで済ませライカの町を出た俺たちは、予定通りラルシラシの森へと足を踏
" 少し遅めの夕食を宿のレストランで済ませライカの町を出た俺たちは、予定通りラルシラシの森へと足を踏み入れた。
夜の森は暗い。
ハルが初級の光魔法を使って、小さな明かりを宙に浮かべた。
夜 植髮時間 を歩き初めて、10分程経った辺りか。
結論から言って、ウェデンはかなりあっさり囮に掛かった。
4体のウェデンを前に、短い相談を交わす。
「んじゃ俺、一番左」
「じゃあ、俺は右かな」
「なら、俺は間の2体ですね。2人とも、気を付けて。無理だと思ったら、すぐ救援を呼んで下さい」
「了解」、と、声を揃えたのは俺とハル。
それを合図に、俺たちは3方へ散った.
まずは注意をこちらに向けるために火属性の魔法を放ち、他3体と引き離す。
狙い通り俺に釘づけになった1体に、単純でいいなぁと薄く笑う。
ハルとエートの戦いが気になるので、こちらは手早く片付ける気満々だった。
さっさと仕留めて、見物に行く。
それが第一の目標だ。
むろん第二の目標は、「刺激作り」をすること。
とは言え、仮眠中に決めたことを覆す気は特にない。
「<<閉じられた炎の網>>」
火と闇、2属性の上級魔法までだけで、さっさと倒す。
そんな決意を胸に、地を蹴る。
熱いだけで脆弱な炎の網を破ったウェデンの頭上、右の角に手を付いて、ひらひらと手を振った。
「悪いな」
手を振った俺が、見えたかどうか。
直後、弱点を付かれたウェデンの悲鳴が、ラルシラシの森を震わせた。
そして鼻歌混じりの俺と、激怒したウェデンの戦いが始まり。
俺は余裕の態度を崩さないまま、その戦いに勝利した。
闇属性の上級魔法に頭を消滅させられ、首なしになったウェデンを見下ろして、ぱんぱんと軽く手から埃を払う。
「さて、と」
目を向けるのはすぐ傍の、背の高い木。
一振りの、太い枝。
「どうだった?俺の戦いは」
流石は二つ名持ち、とでも言おうか。
既に2体のウェデンを片付けたらしいエートが、そこに居た。
第一の目標達成は逃したらしい。抽新股程序
エートは木の上で、肩を竦めた。
「気付いてましたか」
「今さっきだよ、気付いたのは」
「では、そういうことに」
笑いながら降りてきたエートに、首を傾げる。
「ハルは?」
「まだ戦闘中です」
「んー、それも聞きたいが、じゃなくてだな。なんで俺の方に来たんだ?」
お前は、ハルの。
「護衛だろ」
さらりと言えば、エートが目を瞠った。"