" 俺は食材を抱えたまま、エートに肩を竦めて見せた。 「俺は胡瓜が飛ばされそうになった」 "

" 俺は食材を抱えたまま、エートに肩を竦めて見せた。

「俺は胡瓜が飛ばされそうになった」

整った眉を微かに寄せてエルマを見送ったエートが、瞳を瞬く。
それからいつもの表情に戻って、微笑 肺癌免疫治療香港 だ。

「生姜焼きに胡瓜ですか?」
「サラダにしようかと」
「ああ、なるほど。無事で何よりです」

胡瓜も、あなたも。

小さく続けたエートに、再び肩を竦める。
方陣に足を進めながら、「助かった」と呟いた。

――――――もし。

あのまま、魔法で攻撃されてたら。

俺は、「お返し」にエルマを叩き潰していたかもしれない。

そんなことをしてしまったら、これまでの工作が水の泡だ。

「……そういや。さっきの、どうやったんだ?」
「どう、とは?」
「発動前の魔力、消しただろ?」
「ああ」

話しながらでも、魔方陣はちゃんと反応する。auditing and accounting services
25階に着いた俺たちは、ハルの部屋へと足を進めながらも会話を続けた。

エートの説明に因ると、コントロールされてない同じ属性の魔力なら、散らすこと自体は難しくないらしい。
魔法として発動されてしまったり、きちんと意志で剥がされたものだと無理だが、今回のあれはエルマの暴走だ。
コントロールのコの字もなかった。
魔法流動学のミーナが見たら、嘆かわしいと言われかねない。

そうこう話してるうちにハルの部屋に着く。

両手の塞がってる俺の代わりにエートが扉をノックして、それから俺たちは一切エルマの話はしなかった。
別に打合せたわけではないが、暗黙の了解という奴だ。
それに、言う意味もなかった。

「遅かったな、カレナ……っと、エートも一緒だったのか」
「ばったり廊下で会ったから誘ってみた。いいだろ?」
「勿論」

ちなみに、その後作った生姜焼きは若干焦げた。
エートが少し哀しそうだったが、不味いほどの焦げ方じゃなかったため特に何も言われなかった。
サラダは流石に失敗のしようがないため、普通に出来たが。

「……一応確認するが」

エルマのことなどすっかりきっぱり気にせず機嫌良く窓際に陣取り外を眺めていた俺に、ハルが疑わしげな声を挙げる。
俺は振り返って、続きを促した。

「お前、俺に「お礼」しに来たんだよな……?」
「うん?そうだけど。作っただろ?夕飯」
「……明らかに最上階の窓際が目当てに見えるのは気のせいか?」

俺はにっこりと笑ってやった。

「気のせいだ」

ハルがガクリと肩を落とした。
エートが苦笑しつつ、その肩を叩く。"