土居隆行の旗印(ファーメさん作) 伊予国宇

土居隆行の旗印(ファーメさん作) 伊予国宇和郡三間。土佐から伊予への玄関口にあたり、高森山、戸祇御前山、高月山に囲まれた平野部には、数々の旗印が其処彼処に立ち並んでいた。辺り美國轉運推薦包む暗闇も、兵が密集し、旗印が風に靡(なび)いている場所だけは、松明の炎で昼間のように明るくなっていた。距離を開けて向かい合う二勢力は、松明の炎だけ見ると、3000対3000、ほぼ同数の睨みあいに見受けられる。空は、どんよりと曇り、時折、雲間から月が顔を出すと、その月光に辺りが照らし出される。すると、向かい合う勢力は3000対2000であるが、近くから確認せねば、その違いには気づかないであろう。